セイバー「セイバーじゃなくてアルトリアと呼んで下さい。次間違えたら、怒りますよ?」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:15:28.54 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「ふむ……いい匂いがしますね」

セイバー「ここは……パン屋でしょうか?」

早苗「やっぱり、不味いんですねぇぇぇ!!!!!」

セイバー「な、なんだ!?」

秋夫「俺は大好きだぁぁぁ!!!!」

セイバー「……」

渚「あぁ……」

セイバー「あの……」

渚「あ、いらっしゃいませ!」

セイバー「今のは?」

渚「き、気にしないでください。いつものことなんで」

セイバー「そうですか」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:18:54.42 ID:nZR9oyZ/0

渚「ど、どうぞ。是非、見ていってください」

セイバー「では失礼して……なんという香ばしい……食欲が湧きますね」

渚「お一つ、どうでしょうか?」

セイバー「……すいません」

渚「え?」

セイバー「今、路銀がなくて」

渚「あ、そ、そうなんですか」

セイバー「申し訳ありません。冷やかしのつもりではなかったのですが」

渚「あ、いえいえ。そんな気にしないでください」

セイバー「……」グゥ~

渚「……メロンパンでよければ」

セイバー「いいのですか!?」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:22:21.92 ID:nZR9oyZ/0

渚「あ、これはもう廃棄する分なんで、いいですよ?」

セイバー「すいません。では頂きます」

渚(よっぽどお腹が空いてたんですね)

セイバー「……」モグモグ

渚「……」

セイバー「……なんでしょうか?」

渚「あ、す、すいません……あまりにも綺麗なんで、少し見惚れました……」

セイバー「そうはっきり言われると照れますね」

渚「ご、ごめんなさい」

セイバー「謝ることはありません。こんな私の容姿を褒めて頂いて、光栄の極みです」

渚(なんだか、いい人です……)
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:25:01.50 ID:nZR9oyZ/0

渚「あの」

セイバー「はい?」

渚「あんぱんもどうですか?」

セイバー「そんな。そこまでの施しを受けるわけには……」グゥ~

渚「ど、どうぞ」

セイバー「かたじけない」

渚「……」

セイバー「……」モグモグ

渚「あの、どうですか?それ、私が焼いたんです」

セイバー「……」モグモグ

渚「……」

セイバー「……うむ。悪くありません。ですが、この黒いのが少し頂けない。パンの良さを殺している」

渚「え……そ、そうですか?」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:28:35.93 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「ええ……これはいらないのでは?」

渚「でも、それがないとあんぱんじゃなくなってしまいます」

セイバー「あんぱんはこういう形だからあんぱんと呼ばれているのでは?」

渚「え?そうなんですか?」

セイバー「すいません。私の推論なのですが」

渚「じゃあ、餡子を抜いてもあんぱん、なんでしょうか?」

セイバー「違うんですか?」

渚「え?そうなんですか?」

セイバー「……」

渚「……」

セイバー「まあ、素人の意見です。聞き流してください」

渚「い、いえ!貴重なご意見、ありがとうございます」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:34:20.54 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「ごちそうさまでした」

渚「いえ。お粗末さまでした」

セイバー「しかし、このまま帰るのは忍びないですね」

渚「そんな、廃棄寸前のパンですから。いつも捨てるとき、もったいないなぁって思ってます」

セイバー「それでも売り物を無償で賜ったのですから、なにかお返しを……」

渚「いいですいいです」

セイバー「ですが、それでは私の気が済みません」

渚「いや……」

セイバー「なにかお手伝いできることがあれば」

渚「あの……近いです」

セイバー「すいません」

渚「じゃあ、お父さんとお母さんが帰ってくるまで一緒に店番してくれませんか?」

セイバー「おぉ!そんなことでしたら」

渚「えへへ。実はひとりでお留守番するのあんまり得意じゃないんです」

セイバー「私はいつも留守番を頼まれていますから、得意中の得意です。期待しててください」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:37:46.71 ID:nZR9oyZ/0

渚「えと……お名前は?」

セイバー「申し遅れました。セイバーといいます」

渚「私は古河渚です」

セイバー「では、渚。何から致しましょうか?」

渚「そうですね……掃除を手伝ってください」

セイバー「はい」

渚「箒で店の外を掃いてもらえますか?」

セイバー「はっ」

渚「お願いします」

セイバー「任せてください。塵一つ残しはしません」

渚「はい」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:41:30.90 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「……」

朋也「……」

セイバー「……なんでしょう?」

朋也「いや、あんたこそ誰だ?」

渚「朋也くん!!」

朋也「渚、こいつ誰だ?」

渚「えと、セイバーさんです」

セイバー「どうも。初めまして」

朋也「なにしてんだ?」

セイバー「メロンパンとあんぱんの恩を体で返しているところです」

朋也「……まあ、いいけど」

渚「あの、無理矢理とかじゃないんです!!セイバーさんの気持ちをですね」

朋也「お前が他人を強制労働させるなんてあり得ないだろ」

渚「あ、そうですか?」

セイバー「あの……この殿方は?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:44:24.67 ID:nZR9oyZ/0

渚「岡崎朋也くんです」

朋也「どうも」

セイバー「セイバーです。以後、お見知りおきを」

朋也「どうも」

渚「朋也くん、今日はどうしたんです?」

朋也「いや、ちょっと近くまできたから」

渚「どうぞ、上がってください」

朋也「じゃあ、そうしようかな」

渚「お茶、出しますね」

セイバー「……」

渚「あ、セイバーさんも掃除はもういいですから、休憩にしましょう」

セイバー「はっ」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:54:11.73 ID:nZR9oyZ/0

渚「どうぞ、お茶です」

セイバー「ありがとうございます」

朋也「ありがとう」

渚「いえ」

セイバー「……」ズズッ

朋也「体の調子は大丈夫か?」

渚「はい。最近は調子いいです」

朋也「無茶だけはすんなよ」

渚「はい」

セイバー「失礼ですが」

朋也「あ?」

セイバー「二人は夫婦なのですか?」

渚「え……」

朋也「んなわけねーだろ!!!」

セイバー「そうですか。すいません。醸し出す雰囲気がそれに近かったので」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 12:58:44.71 ID:nZR9oyZ/0

朋也「なにいってんだよ……ったく」

渚「そ、そうです……私と朋也くんなんて全く釣り合いがとれてません」

セイバー「そうなのですか?」

渚「だって……朋也くんはかっこいいし、背も高いし、優しいし……全てが私と正反対です」

朋也「……」

セイバー「渚?」

渚「は、はい?」

セイバー「自分を卑下するのは感心しません。朋也もそんな貴方は決して見たくないと思っているはずです」

渚「そ、そうなんですか?」

朋也「い、いえるかよ」

セイバー「渚は自身で思っているよりも、遥かに完成された女性です。自信を持ってください」

渚「そ、そんな……セイバーさんはすごく美人ですから……」

セイバー「私は自分と相手を比べて物を言うようなことはしません。これは純粋な感想です」

渚「セイバーさん……ありがとうございます!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:02:38.22 ID:nZR9oyZ/0

早苗「ただいま」

渚「あ、お母さんです!」

セイバー「お邪魔しています」

早苗「渚のお友達ですか?」

セイバー「友人とは恐れ多い。命の恩人と言っても差し支えないでしょう」

渚「あります!!大袈裟です!!」

秋夫「なんだ。えらく別嬪さんだな。渚も異文化交流が進んでるのな」

朋也「おっさん。また店をほったらかしにしていったな?」

秋夫「いや……それは、ほら……」

セイバー「では、私はそろそろ」

渚「え……もうですか?」

セイバー「家族の場に私のような異端がいては心も休まらないでしょう」

朋也「そんなこと気にする家族じゃねーけどな」

セイバー「ふふ……それは肌で感じますが、それでも違和感はぬぐえない。私は失礼させていただきます」

渚「そうですか……」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:06:16.66 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「では、渚。あんぱんとメロンパン、とても美味でした」

渚「あの……また、来てください……よかったらですけど」

セイバー「必ず」

渚「お願いします」

セイバー「それでは」

渚「さようなら、セイバーさん」

セイバー「さようなら、渚」

朋也「――にしても、珍しいな。渚が知らないやつを家にあげるなんて」

渚「セイバーさんはいい人です。すぐに分かりました」

朋也「まあ、渚がそういうならいいんだけど」

渚(また会いたいです……セイバーさん……)
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:10:12.40 ID:nZR9oyZ/0

翌日

渚「……」

ギルガメッシュ「失礼する」

渚「あ、いらっしゃいませ!!」

渚(わ……なんだか怖そうです……)

ギルガメシュ「小娘。ここには世界で一つだけのパンがあるそうだな?」

渚「え?」

ギルガメッシュ「我によこせ」

渚「あ、えと……これです」

ギルガメッシュ「ほお……七色に輝くパンか……確かにこれは我でも知らぬところだ。誰が作った?」

渚「お母さんです」

ギルガメッシュ「よし、呼べ」

渚「あ、すいません。今、外出中で……」

ギルガメッシュ「では。ここで待たせてもらう」

渚「えぇ!?こ、困ります!!」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:14:51.61 ID:nZR9oyZ/0

ギルガメッシュ「なにをいうか!!」

渚「ひぃ!?」

ギルガメッシュ「我がここに居てやると言ったのだぞ?感謝されることはあっても困惑される云われはないはずだ」

渚「で、でも……」

ギルガメッシュ「この古代から原初が存在しなかったパン……これを作り出した者を我は見てみたいのだ」

渚「はぁ……」

ギルガメッシュ「どのような人物か……はたまた神になりえし者か……我が見定めてやろう」

渚「そ、そんなにすごいことなんですか?」

ギルガメッシュ「ああ、すごいな。とりあえず、この虹色パンは我の宝物庫に保管させてもらおう」

渚「あ、250円です」

ギルガメッシュ「なにぃ!?」

渚「きゃぁ!?」

ギルガメッシュ「安いな。ほれ、受け取れ」ジャラジャラ

渚「え……?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:19:09.82 ID:nZR9oyZ/0

ギルガメッシュ「ふん……このパン、見れば見るほど美しい」

渚「あのぉ」

ギルガメッシュ「なんだ?」

渚「これ……なんですか?」

ギルガメッシュ「宝石だ。一つあれば東京にマンションが5棟は建つぞ?」

渚「い、いりません」

ギルガメッシュ「なに?」

渚「えと……250円を……」

ギルガメッシュ「貴様……王の施しを拒絶するか……?」

渚「え……」

ギルガメッシュ「いい度胸だ。その啖呵、宣戦布告と捉えてやる」

渚「え、あの……」

ギルガメッシュ「我に盾突いたこと、後悔するがよい」

渚「あの……えと……」

ギルガメッシュ「エア、出番だ!!」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:22:29.30 ID:nZR9oyZ/0

杏「なーぎさ!」

渚「あ、こんにちは」

ギルガメッシュ「ん……?」

杏「誰アンタ?」

ギルガメッシュ「ほお、頭が高いな。ムシケラの分際で」

杏「あ?」

渚「あ、えと……」

ギルガメッシュ「跪け、雑種」

杏「―――おらぁ!!」ゲシィ!!

ギルガメッシュ「ぬ!?」

渚「あぁ……」

杏「邪魔よ。何も買わないなら出ていけば?」

ギルガメッシュ「おのれ……王のケツを蹴るとは……」

渚「あの……あの……」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:25:21.70 ID:nZR9oyZ/0

杏「なによ、やる気?」

ギルガメッシュ「ふははははは!!面白い!!表に出ろ!!!」

渚「あぁぁ……」

朋也「……よう」

渚「あ、朋也くん!!」

朋也「なんだ、杏と変なやつが公園のほうにいったけど」

渚「朋也くん、盗まれました!!」

朋也「なにを?」

渚「お母さんのパンです!!」

朋也「早苗さんの!?」

渚「250円、もらってないです」

朋也「……どうすっかな」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:30:08.42 ID:nZR9oyZ/0

朋也「おーい、杏ー」

杏「ふぬぬぬぬ!!!」

ギルガメッシュ「我に敵うとおもうなぁぁ!!!」

朋也「腕相撲してやがる……」

杏「でぁぁ!!!」グググッ!

ギルガメッシュ「なめるなぁぁ!!!」グググッ!

朋也「おいおい……」

ギルガメッシュ「―――ふん。完勝だ」

杏「ちぃ!!」

朋也「おい、金ぴか」

ギルガメッシュ「我をその名で呼称するとは、どこの雑兵だ?」

朋也「250円、渡せ。パン、買ったんだろ?」

ギルガメッシュ「なにをいう。宝石を渡したはずだ」

朋也「あのパンにこれだけの価値はねぇよ」

ギルガメッシュ「お前は原初の凄さがわかっていないようだな」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:34:33.47 ID:nZR9oyZ/0

ギルガメッシュ「起源にはそれだけの価値があるのだぞ?」

朋也「お前がどう思うとも、渚は250円しか受け取らない」

ギルガメッシュ「……そうか。だが、我は雑種が持つような金貨など持ち合わせてはおらん」

朋也「じゃあ、パン返せ」

ギルガメッシュ「王が一度手に入れたものを手放すと思うか?」

朋也「返せ」

杏「なによ、こいつ泥棒なの?」

朋也「らしいな」

ギルガメッシュ「貴様ら……我を卑賤な者と罵るか!!」

朋也「盗んでるんだから当然だろ」

ギルガメッシュ「ぬかせぇ!!」

セイバー「そこまでだ。英雄王!!」

ギルガメッシュ「!?」

朋也「セイバー?!」

セイバー「すまない、朋也。私の知人が迷惑をかけたようですね」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:39:53.72 ID:nZR9oyZ/0

ギルガメッシュ「我は迷惑などかけておらん!!」

セイバー「朋也、250円です」

朋也「いいのか?」

セイバー「はい。渚にはまたメロンパンを無料で頂きました」

朋也「そ、そうか」

セイバー「さ、行きましょう。英雄王」

ギルガメッシュ「だが!?」

セイバー「今回は貴方が全面的に悪い」

ギルガメッシュ「……仕方ない。今日のところはセイバーに免じて許してやろう。だが、次はないぞ!!」

杏「さっさといけ」

セイバー「それでは」

朋也「あ、ああ……」

杏「朋也、知り合いは選ばないと」

朋也「お前に言われたくねえよ」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:44:24.42 ID:nZR9oyZ/0

翌日

渚「今日も一人です……」

バーサーカー「……」

渚「わぁ!?!」

バーサーカー「……」オロオロ

渚「あ、ど、どうぞ……?」

バーサーカー「……」メリメリ

渚「やっぱりだめです!!外にでてください!!天井が割れます!!」

バーサーカー「……」

渚「……えと、パンですか?」

バーサーカー「……」コクコク

渚「ど、どれでしょう?」

バーサーカー「……」アレアレ

渚「えと、指で指されても、指が大きくてわかりません……」

バーサーカー「……」シュン
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:47:58.18 ID:nZR9oyZ/0

渚「メロンパンですか?」

バーサーカー「……」フルフル

渚「あんぱん?」

バーサーカー「……」フルフル

渚「えと……ジャムパン?」

バーサーカー「……」ガサゴソ

渚「……?」

バーサーカー「……」

渚「これは……おつかいメモ?」

バーサーカー「……」コクコク

渚「えと……クリームパン4個ですか?」

バーサーカー「……」コクコク

渚「少し待っててください。すぐにお持ちします」

バーサーカー「……」コクコク
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:51:39.21 ID:nZR9oyZ/0

渚「はい。お待たせしました」

バーサーカー「……」コクコク

渚「えと、4個で480円です」

バーサーカー「……」ジャラ

渚「ありがとうございます」

バーサーカー「……」バイバイ

渚「またどうぞ」

バーサーカー「……」ズンズン

渚「あんな大きな人がいるなんて驚きです……」

セイバー「渚」

渚「あ、セイバーさん。こんにちは」

セイバー「こんにちは」グゥ~

渚「えと……またメロンパンになりますけど……」

セイバー「はっ」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 13:59:16.91 ID:nZR9oyZ/0

渚「どうぞ」

セイバー「ありがとうございます」モグモグ

渚(セイバーさん、毎日来てくれる……嬉しいです)

セイバー「そういえばご両親は今日も不在ですか?」

渚「はい」

セイバー「そうですか。一度、きちんお礼をさせていただきたいのですが」

渚「そんなのいいです。廃棄品の処理をしていただいてますし」

セイバー「ですが……食糧を与えてくださってるわけで……」

渚「気にしなくてもいいです。それに私、セイバーさんとお話するの楽しみになってきましたから」

セイバー「そうですか……そう言っていただけると、こちらも気が楽です」

渚「えへへ」

セイバー「ふふ……」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:02:28.04 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「では、これで」

渚「はい。あの、また明日もきてくれますか?」

セイバー「ええ。必ず」

渚「待ってます」

セイバー「はい」

渚「セイバーさん……」

朋也「渚?」

渚「あ、朋也くん」

朋也「今日もセイバーが来てたのか?」

渚「はい!」

朋也「あんま餌付けすんなよ
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:06:34.61 ID:nZR9oyZ/0

翌日

渚「……」ボォ~

セイバー「渚」

渚「あ、セイバーさん」

セイバー「今日は知人を連れてきました」

渚「え?」

アーチャー「ここがそうか」

渚「だ、だれですか?」

アーチャー「アーチャーという。すまないね。セイバーが無理矢理にここを勧めてくるものでな」

セイバー「無理矢理とは語弊があります。良質な店を紹介するのはいいことではありませんか」

アーチャー「まあ、そういうことにしておこう」

渚「セイバーさん……」

アーチャー「それにしても……この店……特異点になりつつあるな」

渚「え?」

アーチャー「最近、変な客が立て続けにこなかったか?」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:12:35.75 ID:nZR9oyZ/0

渚「えと……確かに見慣れないお客さんは多かったです」

アーチャー「そうか」

セイバー「何か問題でもあるのですか?」

アーチャー「大ありだ。こんな魔術になんの縁も無い場所にこうして我々がいることは危険だろうに」

セイバー「そうでしょうか?」

アーチャー「ここを中心に魔術師の戦いでも起こってみろ。この少女は一瞬にして灰塵になる」

渚「なんの話です?」

セイバー「ふむ……それは困りましたね」

アーチャー「セイバー、あまりここには近付かないほうがいいだろう」

セイバー「ですがそれでは……!!」グゥ~

渚「どうぞ、あんぱんです」

セイバー「渚に会えなくなる」モグモグ

アーチャー「騎士王が聞いて呆れるな。人間に餌付けされるなどとは」

セイバー「アーチャー、その発言は無礼です」モグモグ

渚「そ、そうです!セイバーさんは野良猫じゃありません!!」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:18:25.85 ID:nZR9oyZ/0

アーチャー「まあいい。私は警告した。役目は果たしたと言えよう」

セイバー「……」モグモグ

渚「セイバーさん……」

セイバー「大丈夫です。何が起ころうとも、私が守ります」

渚「……口元に餡子、ついてます」

セイバー「む……」ゴシゴシ

アーチャー「それはさておき、折角来たのだ。何か買っていこう」

セイバー「凛への土産ですか?」

アーチャー「ああ。お姫様のご機嫌取りも楽じゃなくてね」

セイバー「大変ですね」

渚「えと……どれにしますか?」

アーチャー「ふむ……このフランスパンと食パン1斤、それからクロワッサンを頂こう」

渚「は、はい!」

セイバー「よく食べますね」

アーチャー「朝食用だ。寝起きの凛はパンしか口にしないからな」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:23:40.79 ID:nZR9oyZ/0

渚「ありがとうございました!!」

アーチャー「いやいや。実に良いパンだ。3時のティータイムが楽しみだ」

セイバー「アーチャー、もう帰るのですか?」

アーチャー「ああ。そこにいる連中が入りにくそうにしているのでな」

セイバー「……朋也」

渚「朋也くん!」

朋也「よ、よう」

春原「あ、ああ!!あの!!!」

セイバー「なんでしょう?」

春原「お、俺!!春原陽平っていいます!!」

セイバー「どうも初めまして。セイバーです」

春原「セイバーさん!!付き合ってください!!!」

セイバー「え……」

渚「春原さん!!?」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:30:02.97 ID:nZR9oyZ/0

アーチャー「これはこれは。見る目がないな」

セイバー「アーチャー、なんですか。その言い方は?」

渚「朋也くん、どういうことですか?」

朋也「いや、バカにセイバーのこと話したら是非って」

渚「でも、セイバーさんが困ってしまいます」

春原「一目ぼれです!!」

セイバー「あ、いや……」

春原「なんでもします!!」

セイバー「申し訳ありませんが、お断りさせて頂きます」

春原「友達からでもいいんです!!」

セイバー「友人としてのお付き合いなら構いませんが」

春原「本当ですか!??やっほぉぉぉ!!!!みたか!!朋也!!!俺にもこんな金髪美人ちゃんをゲットできるんだぜぇ!!」

朋也「お前、心底おめでたいな」

春原「これからよろしくお願いします!!セイバーさん!!いや、もうそんな堅苦しい呼び方は他人行儀か……。セイバー、と呼んでも?」

セイバー「む……陽平の好きにするといいでしょう」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:34:02.26 ID:nZR9oyZ/0

春原「じゃあ、またねー!!」

セイバー「はい」

朋也「良かったのか?」

セイバー「面白い人ですね」

朋也「あんたも結構天然だな」

アーチャー「それでは私も失礼しよう。セイバー、くれぐれも注意しろ」

セイバー「分かっています。ここを戦場になんてさせません」

アーチャー「ふっ……」

渚「またのおこしをお待ちしております」

セイバー「それでは私もこれで」

渚「はい」

セイバー「また明日も来てもいいでしょうか?」

渚「はい!勿論です!」

朋也「じゃあな」

セイバー「ええ。では」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:38:40.75 ID:nZR9oyZ/0

翌日

秋夫「渚、今日も店番頼む」

渚「はい。大丈夫です。セイバーさんも来てくれますから」

早苗「行ってくるわね」

渚「はい」

渚「……」ボォ~

ライダー「ここがセイバーの言っていたパン屋ですか」

キャスター「随分と矮小なお店ね。味は大丈夫なんでしょうね?」

ライダー「セイバーの味覚はあまりあてにはできませんからね」

キャスター「ふん……宗一郎さまのお口に合うのかしら」

渚「あ、いらっしゃいませ」

ライダー「古河渚、ですね?」

渚「は、はい……」

渚(すっごい美人さんです……)

キャスター「ここのおススメはなに?」
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:46:41.12 ID:nZR9oyZ/0

渚「おススメですか……?」

キャスター「できれば日本茶に合うものがいいのだけれど」

渚「それでしたら……あんぱん」

キャスター「味見しても?」

渚「味見ですか……?」

キャスター「ええ」

渚「えと……それは……」

ライダー「キャスター、非常識ですよ?」

キャスター「そうなの?いつも食品を買うところでは試食ができるけど?」

ライダー「そことここを一緒にするのは如何なものかと」

渚「あ、えと……こちらのあんぱんなら、味見してもいいですよ?」

キャスター「そうなの?ありがとう」モグモグ

ライダー「全く……主婦になると浅ましくなるのですね」

キャスター「褒めてもなにもでないわよ?」モグモグ

渚(うぅ……こんな美人さんが目の前にいると緊張しちゃいます……)
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:51:38.20 ID:nZR9oyZ/0

ライダー「……ん?」

キャスター「どうかしたの?」モグモグ

ライダー「……いえ」

ライダー(誰だ……?)

渚「あの、どうでしょうか?」

キャスター「味は悪くないわね」

渚「あ、ありがとうございます」

キャスター「じゃ、あんぱんを――」

風子「渚さん!!」

渚「あ、風子ちゃん。こんにちは」

ライダー「……」ビクッ

風子「おぉ!?なんですか、この人たちは!!!」

渚「お客さんです」

風子「どうも。風子です」

キャスター「あら、可愛いわね。どうも」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 14:55:20.10 ID:nZR9oyZ/0

風子「……」

ライダー「な、なんでしょう?」

風子「どうして目を合わせてくれないんですか?」

ライダー「気のせいです」

キャスター「あんぱんを2個、お願い」

渚「あ、はい。すこし待ってください」

風子「むー……」

ライダー「……」

風子「これ!あげます!!」

ライダー「え……?」

風子「貴方はいい人みたいですから、これあげます」

ライダー「そ、れは……星?」

風子「違います!!」

キャスター「どうみてもヒトデじゃない」

ライダー「え?ヒトデ?」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:00:26.18 ID:nZR9oyZ/0

風子「はい!ヒトデです。100人が見たら101人はヒトデと言ってくれます!!」

ライダー「そ、そうですか」

キャスター「私には?」

風子「すいません。ヒトデはひとつしかありません」

ライダー「ヒトデが好きなんですか?」

風子「はい……だってこのフォルムが……」ポワン

ライダー「あ、あの……?」

風子「えへへ……ヒトデ……」ニヤニヤ

キャスター「大丈夫、この子?」

渚「あ、すいません。風子ちゃん、風子ちゃん。しっかりしてください」

風子「あへへへ」ニヤニヤ

ライダー「ダメみたいですね。意識が、というより魂が抜けそうになっています」

キャスター「……?」

ライダー「キャスター?」

キャスター「……なるほど。まぁ、私には関係のないことだけれど」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:04:20.56 ID:nZR9oyZ/0

ライダー「どういうことだ?」

キャスター「別に」

風子「はっ!!すいません、良い旅夢気分でした」

渚「戻ってきてくれてうれしいです」

キャスター「じゃあ、これお代ね」

渚「あ、はい」

キャスター「じゃあ、私は一足お先に失礼するわ」

風子「おばさん!」

キャスター「だぁれがおば―――」

風子「あげます!」

キャスター「え……?」

風子「あの人には新しいヒトデを作ります。先に帰っちゃうおばさんにあげます」

キャスター「そ、そう……じゃあ、頂いておくわ」

風子「はい!」

渚「また来てくださいね」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:08:21.47 ID:nZR9oyZ/0

キャスター「……見れば見るほど、ヒトデね」ブツブツ

ライダー「……では、私も」

風子「待ってください!!」

ライダー「ひぃ」ビクッ

風子「ヒトデ、すぐに作ります。少しだけ待ってください」

ライダー「そ、そうですか……?」

風子「はい!」

ライダー「では、待ちましょう」

渚「あ、お茶を淹れます」

ライダー「どうぞお気づかいなく」

渚「どうぞ上がってください」

ライダー「……では失礼します」

風子「渚さん!!新聞紙もらいます!!」

渚「はーい。どこにあるかわかりますかー?」

風子「大丈夫です!風子はできる子です!!」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:12:22.43 ID:nZR9oyZ/0

ライダー「……」

風子「……」シュッシュッ

ライダー「楽しいですか?」

風子「今は話しかけないでください」シュッシュッ

ライダー「……」

ライダー(それにしても、この店……だれかにずっと監視されているような……?)

風子「……」シュッシュッ

渚「どうぞ。お茶です」

ライダー「すいません」

渚「くつろいでいってください」

ライダー「はい」

セイバー「―――渚!!いないのですか!!」

渚「あ、セイバーさんです。はーい、まってくださーい」

ライダー「セイバーも来ましたか……この違和感、話しておくべきでしょうか?」

風子「……」シュッシュッ
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:17:58.52 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「ライダー!?」モグモグ

ライダー「お先にお邪魔しております」

セイバー「何をしているのですか?」モグモグ

ライダー「貴女が勧めてきたので訪れてみただけです」

セイバー「そうでしたか」モグモグ

渚「どうぞ、セイバーさん」

セイバー「おお、どうも」モグモグ

ライダー「ときにセイバー?何を食べているのですか?」

セイバー「今日はチョココロネとウインナーパンを頂きました」モグモグ

ライダー「士郎がお金を?」

セイバー「いえ。これは渚の厚意です」モグモグ

渚「えへへ。セイバーさんには廃棄するパンをいつも食べてもらってるんです」

ライダー「セイバー……はぁ……士郎が知ったら怒りますよ?」

セイバー「貴女が黙っていれば問題はない」モグモグ
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:22:16.54 ID:nZR9oyZ/0

風子「できました!!!」

セイバー「ほう。見事なヒトデですね」

風子「わぁぁ!?!知らない人です!!!」

セイバー「どうもセイバーです」

風子「伊吹風子です」

セイバー「……」

風子「……口元、チョコついてますよ?」

セイバー「む……」ペロ

風子「どうぞ!ヒトデ、あげます!!」

ライダー「ど、どうも……」

渚「風子ちゃんのヒトデ、可愛いですね」

風子「いいえ。ヒトデが可愛いんです」

セイバー「中々、味のある彫刻ですね」

風子「お姉さんも欲しいんですか?」

セイバー「ええ、貰えるのでしたら」
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:27:26.93 ID:nZR9oyZ/0

風子「ふん!ふん!」シュッシュ

渚「セイバーさん、お茶のおかわりはどうします?」

セイバー「頂きます」

渚「はい!」

ライダー「セイバー、お話が」

セイバー「なにか?」

ライダー「この店を取り囲む視線……気付いていますか?」

セイバー「無論だ」

ライダー「正体は……やはり……」

セイバー「我々の魔力に引き寄せられた悪鬼の類だろう」

ライダー「このままでいいのですか?」

セイバー「よくはない。しかし、奴らが姿を現すのは決まって夜だ。まだ手出しはできない」

ライダー「かなりの数ですが?」

セイバー「恐れるには足らない。私一人でも十分に排斥はできるでしょう」

渚「セイバーさん、お茶が入りました。どーぞ」
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:31:34.51 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「感謝します」

渚「いえいえ」

セイバー「渚?」

渚「はい?」

セイバー「私が必ず、守ります」ギュ

渚「え、セイバーさん……こんなところ朋也くんに見られたら……」

セイバー「……安心してください」

渚「あ、はい……」

風子「できましたー!!!」

セイバー「おお。待ちわびました」

風子「どうぞ」

セイバー「素晴らしい。家宝にしましょう」

ライダー「あなたの美的感覚は理解しかねますね」

渚「はぁ……」

渚(いきなり手を握られたから……びっくりしました……)ドキドキ
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:34:28.07 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「それでは」

ライダー「お邪魔しました」

渚「また明日」

セイバー「ええ」

風子「喜んでくれて、風子も嬉しいです」

渚「よかったですね?」

朋也「渚、セイバーは?」

渚「いま、帰ったところです」

風子「む……」

朋也「なんだ、風子もいたのか」

春原「セイバーさぁぁぁぁぁん!!!」

朋也「もう諦めろ」

渚「あの、明日も来るって言ってましたから……」

春原「ほんと!?よし!!明日は朝一でくる!!」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:38:33.16 ID:nZR9oyZ/0

翌日

渚「ふんふふーん」♪

アサシン「……」

渚「え?」

渚「……誰もいない」

渚「……ふんふふーん」

アサシン「……」

渚「!?」

渚「……きのせい?」

渚「うーん……」

アサシン「どうも」

渚「――――」

アサシン「マーボーパンとかありませんか?」

渚「」フラッ

アサシン「あれ……気絶してしまった……何故だ?」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:45:00.88 ID:nZR9oyZ/0

アサシン「やはりこの髑髏の面が原因か……?」

セイバー「渚、いますか?」

アサシン「お?」

セイバー「貴様は!?」

アサシン「どうもどうも」

セイバー「渚!?!貴様!渚を離せ!!どうするつもりだ!!!」

アサシン「気絶したので介護を……」

セイバー「聞こえなかったか?―――私は離せと言ったのだ!!」ゴォォォォ

アサシン「な……エクスカリバー……?」

セイバー「消えろ、アサシン」

アサシン「分かった。消える。―――ただ、伝言を預かってきたのだ。それぐらい言わせろ」

セイバー「伝言?」

アサシン「ここに集まっている骸は教会でも手に負えないほどに膨らんでいる。この場から離れることを推奨する」

セイバー「……」

アサシン「では、さらば」
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:50:28.92 ID:nZR9oyZ/0

渚「ん……」

セイバー「渚、大丈夫ですか?」

渚「セイバーさん……こんにちは」

セイバー「挨拶はいい。今は寝ていた方が……」グゥ~

渚「……えと、今日はクリームパンとジャムパンがあります」

セイバー「おほん……それはあとで頂きます」

渚「そうですか?」

セイバー「今は横になっているべきです」

渚「すいません……セイバーさん」

セイバー「何をいいますか。これぐらいのことはさせてください」グゥ~

渚「あの……レジの下にありますから」

セイバー「……はい」

渚「えへへ……いつでも食べてくださいね?」

セイバー「はっ」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 15:54:46.85 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「ふむ……」モグモグ

春原「あぁぁぁ!!!セイバーさん!!!どうもです!!」

セイバー「陽平ですか」モグモグ

朋也「渚は?」

セイバー「奥で寝ています」モグモグ

朋也「なに?」

セイバー「軽い貧血です。とくに問題は――」

朋也「渚ぁ!!大丈夫か!!?」

セイバー「……」

春原「あいつ、渚ちゃんのことになると態度が変わるからなぁ」

セイバー「そうなのですか?」

春原「それより、セイバー?」

セイバー「な、なんでしょう?」

春原「デート、しません?」

セイバー「デート?……すいませんが結構です」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:00:03.06 ID:nZR9oyZ/0

春原「えぇぇぇ!??!?」

セイバー「……」モグモグ

セイバー(この店は特異点になりつつあり……その所為で異形の魔物を呼んでしまった)

セイバー(毎夜、監視はしてきたが……そろそろか……)

ランサー「――よお、セイバー?」

セイバー「ランサー?!」

ランサー「ここに可愛い子がいるって聞いたんだけど?」

春原「な、なんだ!!おまえ!?セイバーのなんだぁ!!こらぁ!!」

ランサー「あ?」ギロッ

春原「ひぃぃぃぃ」

セイバー「ランサー、人間相手に威嚇などするものではない」

ランサー「はっ!そっちから仕掛けてきたんだろ?」

ことみ「渚ちゃん、いる?」

智代「パンを買いにきたぞ」

ランサー「お……♪」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:05:10.02 ID:nZR9oyZ/0

セイバー「申し訳ありません。渚はいま、少し体調を崩していて」

ことみ「そうなの?」

智代「そうか……心配だな。上がっても?」

セイバー「貴女方は?」

智代「ああ。すまない。坂上智代、古河さんとは友人だ」

ことみ「一ノ瀬ことみなの」

セイバー「智代とことみですか。私はセイバーです」

智代「あなたは?アルバイトかなにかですか?」

セイバー「ええ、そんなところです」

ランサー「ふんふん……いいねえ」

智代「ん?」

ランサー「智代にことみか。良い名前だ」

ことみ「だ、だれ……?」

智代「貴方は?」

ランサー「ランサーって呼んでくれ。それより、これから俺とお茶でも飲みに行かないか?」
128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:10:27.72 ID:nZR9oyZ/0

智代「断る。渚のことが心配なのでな」

ことみ「さよならなの」

ランサー「まあ、まあ。そう言わずに」

智代「む……」イラッ

ことみ「うぅ……」

春原「おい!!」

ランサー「あ?」ギロッ

春原「ひぃぃぃぃ!!」

セイバー「ランサー、初対面の婦人に対して失礼だ」

ランサー「恋はいつでも初対面から芽生えるもんだ。そう思わないか?」

智代「素敵な言葉だが、肩にまわした手を離してもらえないだろうか?」

ランサー「そういうなって。な、行こうぜ?」

智代「……」イラッ

ことみ「はなしてなの……」

セイバー「ランサー、やめろ。二人が困っている」
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:16:52.49 ID:nZR9oyZ/0

ランサー「最近、欲求不満でよ。どうにかして発散させねーと、こっちも気が滅入るんだ」

智代「……」イラッイラッ

ことみ「……」

セイバー「いい加減に……」

ランサー「全部、奢ってやるから。な?」

智代「これで最後だ。離せ」

ランサー「一度、捕まえた花は風でも吹かない限り、手の中だ」

智代「ふっ……詩人だな」

ランサー「だろ?もっといい詩を聞かせてやるぜ……?」

智代「――では、風を吹かそうか」

ランサー「え?」

智代「軟派な男は大嫌いだ!!!」ドゲシッ!!

ランサー「ぐっ……!?」

智代「悪いが貴方のような男性とは付き合えない」

ランサー「……なんて女だ……俺のケツを蹴るなんて……惚れた」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:24:31.57 ID:nZR9oyZ/0

ランサー「智代、一回でいいからデートしようぜ?」

智代「近寄るな!!」ドガァ

ランサー「ふぐっ……?!」

セイバー「ランサー!?」

ことみ「渚ちゃーん、大丈夫なのー?」

渚「あ、はい。大丈夫です」

朋也「どうしたんだ。なんか騒がしいけど?」

セイバー「あ、朋也。智代をとめてください」

朋也「え……?」

智代「ハァァァァァ」ドガガガガガガガガガ!!!!

ランサー「ぐほ?!ぐぇ!?がはぁ!?!?」

智代「はっ!!!!」ドゴォ!!

ランサー「ぎぃ―――」

朋也「智代……」

智代「朋也。すまない。はしたないところを見せたな」
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:29:45.92 ID:nZR9oyZ/0

智代「渚、もういいのか?」

渚「はい。大丈夫です」

朋也「おい、大丈夫か?」

ランサー「な……なんとか……」

セイバー「全く。英雄色を好むとはいいますが、ランサーの場合は度が過ぎてますね」

ランサー「ふん……それより、セイバー?」

セイバー「なにか?」

ランサー「ここに集まってる獣ども、どうすんだ?」

セイバー「それは……」

朋也「何の話だ?」

ランサー「大人の会話だ」

朋也「なんだよ、それ」

セイバー「……」

ことみ「渚ちゃん、新しいギャグを考えたの。……ことみの隣、あいてますよ?」

渚「えと……意味がよくわかりません」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:33:23.52 ID:nZR9oyZ/0

智代「では、失礼する」

ことみ「バイバイなのー」

ランサー「智代、これから―――」

智代「ふん!!」ドゴォ

セイバー「では、朋也?」

朋也「な、なんだよ?」

セイバー「渚をお願いします」

渚「セイバーさん?」

セイバー「それでは渚、さよなら」

渚「セイバーさん!!明日も来てくれますよね……?」

セイバー「……」

渚「セイバー……さん……」

セイバー「安心してください、渚。我が命に変えても、貴女だけは守ってみせます」

渚「え……?」

セイバー「では、これで。―――ごちそうさまでした。パン、とても美味しかったです」
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:35:55.33 ID:nZR9oyZ/0

渚「セイバーさん……」

渚「まるで最後のお別れみたいだった……」

渚「もう会えないんでしょうか……?」

渚「セイバーさん……私……もっとお話したいです……」

渚「……」

ガタガタガタ……

渚「え……?」

渚「窓が震えてる……」

渚「今日は風が強いんでしょうか?」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:41:36.70 ID:nZR9oyZ/0

深夜

セイバー「―――異形の魔獣ども。渚の住む場所を襲わせたりはさせない」

セイバー「退け」

魔獣「オォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」

セイバー「魔力に魅せられた理性無き獣か……」

セイバー「死徒の類よりも厄介だな」

セイバー「だが……」

魔獣「オォォォォォォォォ!!!!!!!」

セイバー「これ以上先には、進ませない」

セイバー「何億、何兆が相手でも。私は騎士王として、ここを退くわけにはいかない」

セイバー「渚はまた平穏な朝を迎え、いつも通りパンを売る」

セイバー「その日常を奪わせるわけには、いかない」

魔獣「オォォォォォォ!!!!!」

セイバー「こい……私が撒いた種だ。私が責任をもって摘み取る!!」
143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:47:29.03 ID:nZR9oyZ/0

ランサー「おらぁぁ!!!」ザンッ

魔獣「オォォォォ!!!!」

ランサー「はっ!!あそこは壊させねえ!!!」

ランサー「ハァァァ!!」ザン

ランサー「あそこが無くなると、智代に会えなくなるからなぁ!!!」

魔獣「オォォォォォォ!!!!!!!!」

ランサー「面倒だ。まとめて砕いてやらぁ!!!―――ゲイボルグ!!!!」

魔獣「オォォォォ!!!!!!!」

ランサー「ちっ……キリがねえ」

ギルガメッシュ「ふははははは!!!流石は雑兵。このような駄犬どもにすら苦戦するか?」

ランサー「うっせえ!!」

ギルガメッシュ「我も虹色パンを手に入れた手前、あの店を破壊されては困るのでな」パチンッ

魔獣「オォォォォォォ!!!!!!」

ギルガメッシュ「ふはははは!!!獣ごとき、我が一瞬にして屠ってやろう!!――ゲート・オブ・バビロン!!」
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:52:02.26 ID:nZR9oyZ/0

バーサーカー「―――」ドォォォン

キャスター「まさか貴方もあの店を守ると?」

バーサーカー「……」コクコク

キャスター「何故?」

バーサーカー「……」

ライダー「あそこのパンをイリヤスフィールが気に入ったそうです」

キャスター「アインツベルンの……?」

魔獣「オォォォォ!!!!!」

キャスター「邪魔!!」ドォォォォン

ライダー「そういう貴女もなにやら必死ですが?」

キャスター「ヒトデのお礼よ」

ライダー「ふふ……そうですか。ベルレ・フォーン!!」ドォォォォン

魔獣「オォォォォ!!!」

キャスター「あなたが戦う理由は?」

ライダー「私は……士郎と桜にお願いされたので、仕方なく」
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 16:57:01.88 ID:nZR9oyZ/0

アサシン「これはこれは……」

魔獣「オォォォォ!!!」

アサシン「監視を頼まれただけなのに……」

アサシン「全く……」ザン

アサシン「……しかし、これだけの数は流石に」

凛「ガンド!!!」ドンドン

アサシン「!?」

凛「士郎、そっちは任せたわ」

士郎「ああ。―――トレース・オン!!」

アサシン「なんのつもりで?」

士郎「セイバーに懇願されちゃ、流石に断れない」

凛「そうね。バカみたいな理由だけど」

アサシン「ふっ……」

桜「わたしだって、やる時はやります!!」ゴォォォォ

士郎「これ以上先に進めると思うなぁぁ!!!」
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:03:28.44 ID:nZR9oyZ/0

魔獣「オォォォォォォ!!!!!!!!」

アーチャー「ふむ……派手にやってるな」

アーチャー「――流石に、一人だけ静観しているわけにもいかないか」

アーチャー「無限に近い獣ども……か」

アーチャー「凛……魔力をもらうぞ」

アーチャー「――――I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)」

「―――Steelismybody(血潮は鉄で),and fireismyblood(心は硝子)」

「―――I have created over athousand brades.(幾たびの戦場を越えて不敗)
Unaware of loss.(ただ一度の敗走もなく、)
Nor aware of gain(ただ一度の勝利もなし)」

「―――Withstood pain to create weapons.(担い手はここに孤り。)
waiting for one’s arrival(剣の丘で鉄を鍛つ)」

「――I have no regrets.This is only path(ならば、我が生涯に意味は不要ず)」

「―――Mywholelifewas(この体は、)“unlimited blade works”(無限の剣で出来ていた)」

魔獣「?!?!?!!?」

アーチャー「すまんが、本気で行かせてもらう。あのパン屋のクロワッサンは凛が酷く気に入ってしまったのでな。運が悪かったと諦めろ」

アーチャー「行くぞ!!!」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:09:33.46 ID:nZR9oyZ/0

魔獣「オォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

セイバー「……渚」

セイバー「必ず守ってみましょう」

セイバー「我が剣は―――今宵、貴女のために振います!!」

魔獣「オォォォォォォォ!!!!!!」

セイバー「渚……この数日間、貴女には施しばかりを受けてきた」

セイバー「私がその恩を返せるとするならば」

魔獣「オォォォォォォ!!!!!」

セイバー「勝利の他にありはしない」

魔獣「オォォォォォォォ!!!!!」

セイバー「エクス―――――」

魔獣「オォォォォ!!!!!!」

セイバー「カリバァァァァァ!!!!!!」

魔獣「オォォォォォォ―――」
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:14:55.04 ID:nZR9oyZ/0

渚「……ん」

セイバー「渚?」

渚「セイバーさん……?」

セイバー「起こしてしまいましたね。申し訳ありません」

渚「セイバーさん……」

セイバー「渚……」ギュ

渚「あ……」

セイバー「これでもう貴女が危険に晒されることはありません」

渚「え……?」

セイバー「もうこの店を利用することも致しません」

渚「セイバー……さん……?」

セイバー「渚、強く生きてください」

渚「あ、行かないでください!!セイバーさん!!!」

セイバー「貴女は強い。きっと自身の運命にも打ち勝つことが出来る……それを忘れないでください」

渚「セイバーさん!!!行かないでください!!!セイバーさぁぁん!!」
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:20:18.18 ID:nZR9oyZ/0

渚「うぅ……」

秋夫「どうしたぁ!!」

早苗「なにかあったの?」

渚「セイバーさんが……セイバーさんが……」

秋夫「ど、どうしたんだ?」

早苗「渚……」

渚「うっ……ぐすっ……」

早苗「よしよし……」

渚「セイバーさん……セイバーさん……」

早苗「渚?」

渚「うぅ……」

早苗「きっとまた会えるわ。渚はセイバーさんのこと好きなんでしょう?」

渚「は、い……すき、です……とっても……」

早苗「なら、会える……その想いが残っていれば……きっと」

渚「……はい……セイバーさん……また、会いましょう……必ず……」
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:24:54.86 ID:nZR9oyZ/0

数日後

渚「……」

シエル「すいませーん」

渚「はい」

シエル「カレーパン、あるだけください」

渚「え?」

シエル「カレーパンですよ、カレーパン」

渚「あ、す、すこし待ってください!!」

シエル「はい。いくらでも待ちます」

シエル「ふむふむ……ここが例の特異点ですか」

秋葉「特に問題はなさそうね」

アルクェイド「そうね。シエルが四六時中監視しとけば?」

シエル「そんなことしません。面倒です」

秋葉「言い切りましたね、シエルさん」

渚「すいません。お待たせしました。どーぞ、カレーパン15個です」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:28:23.21 ID:nZR9oyZ/0

シエル「どーも」

秋葉「それでは」

アルクェイド「それじゃあね、変異に魅入られたお姫様♪」

渚「はい?」

渚「……」

渚(不思議な人たちです)

渚「まるでセイバーさんみたいな……」

渚「セイバー……さん……」

渚「会いたい……セイバーさん……」

式「――っと」

渚「え?」

式「ん?ああ、ここにあった変な巣、殺しといたから」

渚「え?え?」

式「んじゃな」

渚「……ありがとうございました」
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:34:05.65 ID:nZR9oyZ/0

式「魔獣が出入りする巣なんて聞いたことなかったけどなぁ」ブツブツ

渚「……」

渚「あ、そうだ。廃棄のパンを……」

渚「セイバーさん……今日はあんぱんが廃棄です……」

渚「もったいないです……」

朋也「渚、いるか?」

渚「あ、朋也くん……」

朋也「ほら、こいよ」

渚「……?」

セイバー「あ、えと……」グゥ~

渚「あ……」

朋也「物陰からずっとここを窺ってたんぜ?しかも涎を垂らしながら。傍から見たら不審者だからな?」

セイバー「だって……」

なぎさ「セイバーさん―――おかえりなさい!!」

セイバー「あ……はい。あの、あんぱん、ください……」グゥ~
おしまい。
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:36:19.64 ID:nZR9oyZ/0

最後、渚がひらがなになったぞ

ごめんよ

お疲れ
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:39:27.79 ID:X8mBCzBF0

GJ!!
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:39:47.56 ID:aKqAL0z50

さすがセイバーはセイバーだった

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:47:29.32 ID:O/LMX4hqO

面白かったよ! 乙!
172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/11/19(土) 17:51:07.85 ID:ObJHPRlvO

atraxiaっぽかったな、乙

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